たけしの忙中閑話

お酒の話

前回は「煙草」の話をした。しからば今回は、えぇもうついでに「酒」の話までしてしまおう、 と 思う。誤解されては困るが小生、なにも優雅に「酒とバラの日々」を送っているというわけではない(笑)。ただ、この稼業、毎晩のようにどこかの宴会に顔を出させなければならない。どうせ飲むなら、立派な酒飲みになって(?)、いい酒を楽しく飲みたいとはいつも思っている。

自分はもともと酒が弱かったし、そう好きでもなかった。学生時代はビールで言えばコップ一杯で顔を真っ赤にしていたし、それ以上飲むとどうかするとすぐにトイレに駆け込んでいた。最近でこそそういうことはほとんどなくなったが、あの悪酔いした時の気分の悪さといったらない。胃の中のものを全部吐き出してようやく一息つくという、あの思いはできれば二度としたくないものだ。

だんだんと飲むように、いや、飲まなければならないようになったのは、やはり政治活動を始めてからだ。新人の運動中はとにかく呼んでくれる会合があまりない。あの当時はある会場のひとつの会合に声がかかると、ついでに隣近所の部屋に飛び込んで宴会に飛び入り参加するなどという、今では信じられないようなこともやっていた。とにかく、一人でも多くの人に会って知ってもらうことだと考えていたので、宴会には出れるだけ出た。気分が悪くなるとトイレにかけこみ、落ち着くとまた宴会場に戻るなどということをやっていた(!)

いきおい、どんどん酒量は増えていった。現職議員になってからは、さらに宴会が増える。多いときは忘年会と新年会で100箇所近くはしごしていたこともある。乾杯までは上座に席を与えられて挨拶などをしているが、乾杯が終わった途端に無礼講である。無礼講であるといっても、実は日本人は宴会の席での「礼」には実にうるさい。いつまでも上座に鎮座ましましていると、「あいつは若いくせに生意気な奴だ。俺に酒をつぎにも来ない」と、こうなる(笑)。

そこで、乾杯と同時に目の前の刺身を二、三切れかけこんでさっそくお酌に回ることになる。最初のうちは要領を得ず、中締めの万歳までに全員を回りきれず、それでまたお叱りを受けたりしたものだが、だんだんと要領を得て、時間配分がうまくなってくる。会場の滞在時間と参加人数をざっとカンピューターで計算すれば「お酌に回るペース」が即座に割り出せるようになるのだ(笑)。ちょうど最後の一人と酒を交わした直後に「万歳」ということになれば、ようやく一人前である。我ながら変な「商売」だなぁ。。と思う。ハハハ

そう言えば、某大分県知事さんなどは宴会での「身のこなし」が実にうまかった。かなりのハイペースでお猪口を酌み交わしながら座を回るのである。そう若いわけでもないのにあんなに飲んで大丈夫かしらん、と思って見ていたが、よく観察してみると、常に決まった女性が隣についてまわって知事にかわってお酌をしているのである。彼女は両手に一本ずつお銚子をもってかわりばんこに知事さんの杯とお客の杯を満たしていく。。。。そう、ご明察のとおり。知事さんにつがれるお銚子の中身はただの「水」だったのである!どうりであんなに飲める?はずだ(笑)。

まぁ、政治家も最後は体力勝負。したがって普段から酒の飲み方にも工夫が要る。ダメージが残らないようにするためだ。それなら飲まなきゃいいじゃないか、というご意見もあるだろう。たしかに議員の中にも下戸はいる。今をときめく安倍晋三さんなんかはその代表格だ。もちろん、氏は宴会にはよくつきあう。興が乗れば唄なども披露してくれる。ウーロン茶を飲みながら(笑)。最初から「飲めない。飲まない。」とわかってもらえていれば、それはそれで通用するわけだ。問題は飲めるには飲めるがたくさんは飲めない、というケースである。この場合は酒量のコントロールがうまくできないと、ひどい目にあうことになる。

小生の場合、長年の「訓練」の甲斐あって年々、酒量も順調に増え、最近は宴会をはしごしてもさほど困らないようになった、というよりも実はずいぶんと「酒好き」になったのだが、それでもやはり困るのは「昼間の酒」である。年に20回近くは出席する結婚式やどうしても夜の時間が取れずに昼間に設定した会食などでの飲酒である。昼間の酒は実に体力を消耗する。顔が赤くなるとそのあとの仕事にさしつかえるし、第一、勤労意欲が減退してしまう。その晩に宴会がセットされていたりすると、昼間の酒が残っていて飲んでもうまくない。ということで、最近は「昼間は基本的に飲まない」ということに決めている。

酒を飲むときはまずは乾杯でビールを少々。それが終わればすぐに焼酎に切りかえるようにしている。焼酎の効用はまず第一に次の日にダメージが残らないことだ。まぁこれには個人差があるだろうが、小生の場合は明らかにそう言える。第二に、宴会で焼酎を持って回っていれば、注ぎ足されることがないことである。通常、宴会で一番閉口するのは際限なく交わされるお猪口での杯の交換だが、焼酎だとそれがない。マイペースで飲めるところがよい。

しかも、小生の地元は知る人ぞ知る麦焼酎の大産地である。「三和酒類」と「二階堂酒造」がその双璧だが、両社とも我が選挙区内にある。したがって、どこへ行ってもまず、両社の焼酎をいの一番に注文することになるのだが、これは趣味と地元宣伝と選挙対策を兼ねていて実に都合がいい(笑)。このほかに東京でのご所望が多い県産品は、米焼酎の名品「耶馬美人」やちょっと癖のある麦焼酎である「兼八」などである。

ところが、最近は知ってのとおり「芋」が「麦」を凌駕しつつある。空前の芋焼酎ブームになっているのだ。実は小生、「産湯」ならぬ「産酒」を経験したのは、鹿児島にいた高校時代である(あっ、ついに言ってしまったか。ハハハ)。その時は当然、芋焼酎である。したがって、あまり大きな声で言うわけにはいかぬが(選挙対策上問題が生じるゆえ)、正直、芋焼酎も時折たしなんでいる。なんというのか、小生にとってはやはり「原点」の味なのである。「青春の味」と言ってもよい。当時の「愛しの君」を思い出したりして、ちょっとばかりほろ苦い(笑)。

日本酒なら断然、我が郷土の「西の関」である。これは決して選挙対策でもお世辞でもない(ぜひ一度、お試しあれ!)。最近はワインブームで議員仲間にもワイン通が増えてきたが、小生は基本的に甘い酒はあまり好きではない。洋酒もあまり好んでは飲まないが、中で例外的に好きなのはバーボンである。この酒はご存知のとおり、とうもろこしが原料で独特の風味と臭いがある。要は「癖」があるのだが、小生はこれが好きである。ちなみに人間はあまり癖があるのは好きではない(笑)。行きつけの店がたくさんあるわけではないのだが、キープするとすれば、焼酎でなければ、このバーボンとなる。

まぁ、こうやって日々、「酒」を楽しんでいる小生であるが、そのためにも日頃から気をつけていることがいくつかある。ひとつは決して「深酒」をしない。酒は楽しいものだが、次の日に残るような飲み方をするとこのくらい不愉快なものはない。したがって、「定量」だと思ったらそこでやめて帰る。昔は付き合い上、それでも引きずられることがあったが、最近は意志を強固に持って断固帰る(笑)。遅くなっても11時には帰宅したいといつも心がけている。よく飲んだ日は家に帰ってすぐに就寝し、翌朝早く起きて必ず運動して汗をかく。出かける前には体調を万全に整えておくことが、その日一日を充実して過ごすことにつながるからだ。どうです。結構、おりこうさんでしょう?(笑)。

昔から「酒は百薬の長」とも言う。医学的な効用はともかくとして本来のその心は「酒で楽しく人と交わり、愉快に過ごすことは人生を豊かにするものだ」ということだろう。実際にそのとおりだと思う。とりわけ日本人はコミュニケーションの前にまずは「飲みニケーション」である。これでいっぺんに仲良くなる。親しく酒を交わした人を裏切るということはまずない。そうやって「酒」が世の中の潤滑油になってくれているとすればありがたいことである。これからも、いい友といい酒を大いに飲みたいと思うこの頃である。

最初にもどる