たけしの忙中閑話

ダイエット

毎年、暑い季節がやってくると、着るものがだんだん薄くなると同時に少なくなり、それにしたがって、自ずから「スタイル」というものが気になってくる。男でもそう思うのであるから、夏服に近づくにしたがってだんだんと胸元や腕や足の露出が大きくなってくる女性の場合はなおさらであろう。家内なども「嫌だわ・・・だんだん腕が太くなってきたの」などと言っては、壁に片ほうずつ腕を押しつける運動などを時折やっているのを見かけるが、果たして効果はあるのかしらん。。。。ま、とにかく、腕も細くウエストも細く、足も細く、、、という調子に、なんでもかんでも「細いほうがいい」というのが女性の感覚なのだと思う。

その点、男の場合はちょっと事情が違ってくる。細ければいいというものではない。つくべきところに筋肉がついていなければ恰好がつかないからだ。ところがその筋肉が加齢や運動不足とともにだんだんと削げ落ちてきて脂肪に変質し、場所を移動させて腹回りにべったりと張りつくようになり、やがてそれが見事に「霜降り化」していくという経過をたどるのである。要は体型が「重力」の法則にしたがって変形していくわけだ。したがって、これを食いとめるためにはウォーキングやジョギングなどの単なる「有酸素運動」だけでは駄目で、どうしても「筋肉トレーニング」という負荷をかけた苦しい作業が必要となってくる。

ふりかえってみると、小生が一番太っていたのは、鳩山先生の秘書時代だったかもしれない。先生は時折テレビでも紹介されているように、大の料理好きであり、またその腕もすこぶるよい。あの当時は毎晩、会合を終わって夜も遅くに車でご自宅まで送っていっていたのだが、それから先生の夜食づくりが始まるのである。玄関を入ったとたんに服を脱いでいく先生の後を追って次から次に脱ぎ落とされる服を拾っていくと、やがて台所にたどりつく。すでにパンツとシャツだけという姿に変わった先生はさっそくにフライパンや鍋を手にして料理を作り始めるのである。

やがて、お待ちかねの夜食が完成し、ご相伴にあずかることになるのだが、とにかくとても味がいいので、どんどんとたいらげてしまう。当時は先生も私も大食漢だったので、作る量もいつも普通の人の四、五人分はあった。「うまいですね!」と言うとどんどんとつぎたされるので、まさに毎夜、毎夜、腹ふくれるまで食べていたわけである。

外で先生と食事をする時もそんな調子だったから、みるみる身体が大きくなっていった。いまでも語り草になっているのは、先生と二人で当時、赤坂にあった有名な「シチュー」の店へ行った時のことだ。なんと二人で13枚ほどのライスをお変わりしたのである。次に行った時は店員さんからやんわりと「あのぉーー、今日はライスの残りが少ないものですから、おかわりはできればご遠慮いただきたいのですが・・・」と注文する前から言われたりしたものだ(笑)。そんなわけで当時の体重はゆうに90キロは越えていた。


やがて鳩山事務所を辞し、郷里にかえっていよいよ県議選の準備に入ろうと思ったところ辺りから、さすがに秘書時代に培った(?)自らの肥え膨れた体型を改善しなければと思うようになった。そこで入会したのが、とあるホテルの中にあった会員制のフィットネスクラブである。通っていくとみるみる身体が締まっていくのがわかる。これは実に気持ちのいいものである。不思議なもので身体がしまってくると、それにつれて心も引き締まってくる。なんでも、運動をする人には「脳内モルヒネ」のような快感を催す成分が分泌されるらしいが、なるほど、慣れてくると苦しいトレーニングがだんだんと快感に変わっていくという感じもその時に体感した。

そこに選挙戦での「重労働」が加わるのであるから、ダイエット効果はまさに絶大である。選挙が終わる頃には顔もすっかり日焼けし、身体も引き締り、精神的にも強くなって、我ながら精悍ないい男になる(笑)。これは実はすべての候補者に言えることで、したがって、ある同僚議員などは選挙が終わった翌日に次の選挙のポスター写真を撮るのだという。その時の顔が次の選挙までの期間中、もっとも若い顔であり(なるほど!)、引き締ったいい顔だからだそうだ。自分も次からはぜひそうしようと思っている(笑)。

まぁ、そこまではよかったのだが、当選して毎晩のように宴会が続くようになるとようやく絞り切った身体も日に日に逆戻りしていくことになる。選挙戦での運動が激しければ激しかったほど、その「リバウンド」もまた大きい。あっという間に体重は元に戻り、いや、戻るだけはなく、徐々に加算されていく。やがて再び90キロ近くになってしまった。これでは健康上もいいわけはないが、ズルズルとそんな日々が続いていった。


そういう悪循環を断ち切るきかっけになったのは、実は「落選」であった。前にも書いたと思うが、あの負けた時の選挙戦はいつになく身体がだるく、精神も緩んでいた。選挙が終わってからもなかなか疲れが抜けない。まぁ、落選したからそうなのだ、と言ってしまえばそれまでだが、やはりどこかおかしいと思って医者に診てもらったら、「岩屋さん、ずいぶんと肝臓が弱ってますねぇ。しかも、ひどい脂肪肝です。これじゃぁ、疲れやすくて当然です。もっと運動しなけりゃいけませんよ。」との忠告を受けたのである。

そこで一念発起!。現在まで12年間続いている朝のウォーキングを始めることになる。我が家の愛犬リラはその時からの相棒であるから、ずいぶん長い間一緒に歩いてきてくれたものである。あらためて感謝、感謝である。最近は年をとって歩くのも遅くモタモタしてきたが、人間で言えば相当の高齢になるのであるから無理もない。しかし、彼女のお陰で早起きとウォーキングをしっかり習慣づけることができたのであるから、本当にありがたいことだと思っている。恩人の一人、いや、一匹である。

しかし、、、だ。冒頭に言ったように、それだけではまだ運動量が足りないのである。年々、そのエネルギーを増大させていく「重力の法則」に逆らって体型を維持していくためには、それに見合うように運動のエネルギーとその精度を増していかなければならないからである。映画を見ているとハリウッドスターなどは還暦が近くなっても筋骨隆々の裸体ででハードアクションをこなしたりしているが、あんなことができるのは、日頃から相当に激しい運動で身体を鍛え上げているからに違いない。私の好きなローリング・ストーンズのミック・ジャガーなども、60歳を過ぎていまなお、腹筋が割れているっ! 若さを保つにはやはり相当の「努力」が必要なのである。

「ところが、忙しくなってくるとなかなかフィットネスクラブ通いというわけにもいかなくなってくる。スイミングが一番いいと言うのだが、これも時間を取るのが難しい。だいたい、こういう施設は行きと帰りにいちいち着替えないといけないのが面倒だ。都心ともなれば会費も高い。国会にもそのような施設があるし、会費も安いのだが、着替えが面倒くさくなってとうとう退会してしまった。となると、毎日、家でできることをやり続けるのが一番いいということになる。そこで、小生、数年前から励行しているのが「トレーニング・チューブ」という簡易な道具を使った筋トレ運動と当世流行のストレッチ体操なのである。

「トレーニング・チューブ」というのは、全長3mくらいの何の変哲もない自転車のチューブのようなしろものである。これは最初は病院などでリハビリ用に使われていたものらしいが、プロのスポーツ選手やトレーナーがその効用に着目して、いまではいたるところで使われるようになっている。街のスポーツ用品店でも簡単に手に入るのだが、実はこれが大変な「すぐれもの」なのである。試してみてわかったが、フィットネスクラブに置いてある器具でおこなう運動の大半はこのチューブ一本でできてしまう。しかも、負荷の調節も自在だから、誰でも自分の体力に合わせて無理なく使うことができる。旅行に行く時もかばんに折りたたんで入れていくだけでいい。実に便利なものである。しかも、単なるチューブであるからして値段も安い。


ストレッチのほうはしばらくの間、まったくの自己流でやっていたのだが、最近爆発的に流行した「デューク更家」なる人物の「1mウォーキングダイエット」なるDVDを見て納得するところがあり、今はそれを応用した方法を取り入れている。何に納得したかと言えば、氏の言う「中半身理論」である。「中半身理論」とはいったい何か・・・・ダイエットの基本は上半身でも下半身でもなく、最大のポイントは中半身だというのである。要はお腹まわりなのだ。ここを引き締めるようにしなければいくら身体を鍛えてみたところでダイエットの効果が思うようにあがらぬばかりではなく、スタイル的にも決してスッキリ見えない、というわけだ。

この人の「ウォーキングダイエット」は、歩きながら体をクネクネとさせるという運動方法なのだが、たとえ人から見られるわけではないにしても、さすがに部屋で一人そんなことをしている自分の姿は哀れに感じられてならないので(笑)、小生はこれを静止したままやるようにしている。さらに両手に鉄アレイ をもって負荷を高めるようにする。最近はこれに同僚議員からもらった足首に巻きつける重りまで装着しているので、我ながら、かつての「巨人の星」の主人公、星飛勇馬が「大リーグボール養成ギブス」をつけているようだと満悦している(笑)。


えっ? あなた、そこまでやっているわりにはたいしてスマートでもないねって? ウウム、、、それはまったくそのとおりなのだが、要は毎日、快調に過ごせればいいのである。大事なのはスタイルなどよりも健康なのである(なんだか急に言い訳調になっているなぁ。ハハハ)。

国会ではこの夏から空調の温度を三度上げるかわりに、本会議以外は「背広なし、ノーネクタイ」を認めるということになりそうである。小生、実は環境問題には熱心に取組んでいるのだが、正直、この案にはあまり賛成ではない。人一倍、暑がりであるという、そういう個人的な事情からではない。そうしたからってビジネス・シーンが変わるとは思えないからである。結局、国会だけが「だらしない」という印象になりはしないか、と心配だし、それ以上に、醜くふくれあがったお腹を四六時中、目にしなければいけなくなると思うとウンザリするからである(笑)。

・・・・と、人から言われないように、これからもせいぜいダイエットに頑張るぞ!

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