岩屋たけしのメッセージ

平成29年04月08日
「米国のシリア攻撃について」

シリア軍が化学兵器を使って国民を攻撃したということを理由に米国は地中海に展開する駆逐艦からシリア国内の空軍基地へ向けて59発のトマホークミサイルを発射しました。

化学兵器の使用はあってはならないことであり、とりわけ、今回、無辜の幼い子供までが犠牲となったことからしても、断じて許されない非道な行為であると言わなければなりません。

安倍政権は言葉遣いに慎重を期しながらも即座に米国の攻撃を支持する声明を発出しました。様々な情報から、シリア軍が化学兵器を使用した蓋然性が極めて高いと判断したからでしょうし、眼前に北朝鮮の核やミサイルが存在する中、今回の米国による「力の行使」が、我が国のみならず、幅広く同盟諸国の安全保障にとってプラスの影響を持つことになると判断したからだと思われます。

国連安全保障理事会の決議は常任理事国が一国でも拒否権を行使すれば採択には至りません。つまり、ロシアがアサド政権を支援している限り、シリアに対する決議は決して採択されないということになる。そういう中にあっても、今回のような非道な行為には断固、ストップをかけなければならない。となれば、今回の攻撃がたとえ国連決議に基づかない米国による「単独行動」であったとしても、我が国としてはこれを支持する姿勢を明らかにするしかない、と判断したのだと思います。

折しも、米国では米中首脳会談が開催中でした。シリア攻撃の話は会談の最後に持ち出され、習近平主席は「米国の行動を理解する」と答えたそうですが、おそらく、プーチン大統領と同様に心中、決して穏やかではなかったでしょう。安保理事会では早速に米露による非難の応酬がおこなわれたとも報じられています。

今回の米国による「力の行使」が今後、シリア情勢や中東情勢にどのような影響をもたらすのか、米露関係や米中関係、さらには朝鮮半島情勢にどのように連鎖していくのか、、我が国にとっても、事は決して対岸の火事ではありません。

米国はオバマ政権時代、極力、「力の行使」を抑制していました。それはそれで、ひとつの正義だったと思います。しかし、誠に残念なことながら、力を行使しないことによって混乱や悲劇が拡大する場合があることもまた国際社会の冷厳たる現実でしょう。現在のシリア情勢や北朝鮮情勢は、そういう意味で「力の不行使」が招いた結果であるとも言えるのかもしれない。。

トランプ政権は今回、前政権とは違った「力強さ」を見せました。同盟国という立場だけからすれば、ある意味、頼もしい行為だったと言うことができるかもしれない。しかし、それが功を奏していくかどうかはまだ予断を許さない。。緊張感をもって事態を注視していかなければならないと思っているところです。