岩屋たけしのメッセージ

平成29年05月25日
「国会終盤の状況について」

国会は現在、先に「テロ等準備罪法案」が衆議院を通過し、参議院での審議を待つばかりの状態にあります。予定されている国会の会期は6月18日までですので、一日も早い審議入りと充実した議論を望みたいと思っているところです。

この法律の目的は以前にも申し上げたように犯罪組織等によるテロ行為などの重大犯罪の防止、抑止にあります。先ごろも英国マンチェスターで幼い子供らまでもが犠牲となった陰惨なテロが発生しました。ある日、突然に無辜の民を巻き込むテロは断じて許しがたい残忍極まりない行為であり、国際社会が一致協力してその根絶を目指していかなければなりません。

それがためには各国の捜査機関が日頃より緊密な連携を取り、情報を交換し、犯行の計画や準備がおこなわれた段階で検挙できるという体制を作り上げておく必要があります。「国際組織犯罪防止条約」は、そのために結ばれた条約であり、世界の187か国が既にこの条約を批准し、それに対応する国内法を整備しています。

国会での審議では「過剰かつ不適切な捜査によって人権が侵害される恐れがある」との指摘が再三なされましたが、既に条約を批准し、国内法を整えている国々で人権が侵害されているという事例が発生しているわけではありません。むしろ、国内法があることによって「人命の侵害」が最小限に防がれているということではないかと思います。

テロ行為を「完璧」に防ぐことは目下のところ、残念ながら極めて難しいと言わざるを得ません。とりわけ、「自爆テロ」のような犯行ともなればなおさらです。しかし、テロが発生し、多くの犠牲者が生じてしまってからでは取り返しがつきません。今回の法律はその防止と抑止のために必ずや効力を発揮してくれるだろうと期待しているところです。

さて、一方では、安倍総理の先のご発言によって憲法改正をめぐる議論が活性化しています。自民党も年内を目途に具体的な改正項目をまとめるべく、「憲法改正推進本部」の体制を充実強化することとなりました。特に焦点となっている9条の改正については、総理のご提言をそのままに受け止めるとするならば、「現行9条をそのまま残し、すなわち、現行の憲法解釈をそのまま維持した上で、新たに自衛隊の存在を明記する」という方向を模索していくことになります。

私が先般ご紹介した自民党の9条改正草案に基づいて改正をおこないますと、概念上は「国連憲章に認められた自衛権のすべてを有する」ことになっておりましたが、新提案は「自衛権の範囲を現状のままに維持する」ことが明確となる改正案となります。目下、自衛権の範囲は一昨年に成立した「平和安全法」によって法律で定められていますが、9条をそのまま残す改正案にすれば、「平和安全法」に定めた以上の自衛権が憲法上も認められることはない、ということになるわけです。

先にも申し上げたように、私は「平和安全法」の制定によって、つまり、「自衛のための必要最小限の集団的自衛権の行使を認めたこと」によって、見渡せる限りの当面の間、我が国の防衛に支障が生じることはないと考えてきましたので、安倍総理のご提案にはある程度、納得できるものがあります。これからの党内論議に積極的に参加し、より良い方向を見出していければと考えているところです。

このほか、私が担当している法案で言えば、「衆議院選挙の区割り改定法案」、「地方議員選挙ビラ解禁法案」、さらには「ギャンブル等依存症対策基本法案」などがあります。残された少ない会期の中でしっかりと成果を挙げられるよう、日々、全力を尽くしてまいりたいと思います。