岩屋たけしのメッセージ

平成29年02月10日
「予算委員会前半の感想」

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安倍総理、麻生副総理、岸田外務大臣が日米首脳会談のために米国へ向かわれたため、本日の予算委員会は開催されません。論戦も小休止といったところですが、この際にここまでの審議を通じて感じたことを若干、申し上げてみたいと思います。

総理はじめ全大臣の出席を求めることができる予算委員会は言うまでもなく国会の「花舞台」です。とりわけ、基本的質疑や集中審議はテレビ中継が入ることが多くなります。野党としては絶好の「アピールのしどころ」となるわけで、いきおい、予算のことよりも、時の政権のスキャンダルや不祥事などの追及が中心におこなわれることになりがちです。

それはそれである意味、仕方のないことであるにしても、それが「攻撃のための攻撃」「論争のための論争」「批判のための批判」になってしまったのでは、国民の期待に応える論戦とはなり得ません。野党の質疑の内容に注文をつけるつもりは毛頭ありませんが、正直、もう少し品位と威厳を保った建設的な質疑であっていただきたいと思わないではいられません。

目下、もっぱら議論の焦点になっておりますのは、「文科省の天下り問題への対応」「テロ等準備罪を巡る法相の答弁内容」「南スーダンのPKOに関する防衛相答弁の内容」です。野党はこれを「安倍政権の隠ぺい三点セット」などと言っておりますが、始終、目の前で議論を聞いている立場で申し上げますと、総理はじめ各閣僚におかれては確かに答弁の巧拙面での違いはあるものの、それぞれに誠心誠意、答弁されているものと感じています。

「文科省OBによる天下りあっせん問題」は一義的に現政権が責任を負うべきことは当然です。ですが、民主党政権を含む歴代政権にも応分の責任がある問題だと思います。第一次安倍政権が公務員制度改革をおこなった際に設置した「再就職等監視委員会」の委員の人選が民主党の反対によって数年間もたなざらしにされたことも、この種の問題に対する監視が甘くなった原因のひとつでした。この問題については、お互いが反省し、与野党の垣根を越えて再発防止に取り組むべきと考えます。

「テロ等準備罪」はこれまで数度に亘って廃案になってきた「共謀罪」の仕組みを踏襲せず、新たな考え方で「国際組織犯罪防止条約」を批准するに必要な国内法を整備しようとするものです。法案は現在、政府において検討中であり、与党の審査も経ておらず、したがっていまだ国会には提出されておりません。にもかかわらず、野党は未提出の法案の中身に関する質問を執拗に浴びせてくるものですから、法務大臣の答弁が時に窮する場面があり、それをもってして「法相不適格」とのレッテルを貼ろうとしてきているように感じています。

法案の骨格が固まっていない段階で質問を受けても責任ある答弁はできません。法相はそのことを度重ねて答弁で述べていましたが、さらにその趣旨を理解していただきたいとの思いで、例のペーパーを作成したのでしょう。確かに、国会の審議のあり方に政府が注文をつけたかのように誤解される恐れがあったために、即座に撤回されましたが、その不注意は反省すべきとしても、「法案が固まったのちでなければ、詳細にわたっての説明はし難い」というのは、まさにそのとおりなのだろうと思っています。

稲田防衛相も集中砲火を浴びています。「南スーダンに派遣されいる自衛隊の日報が隠蔽されていたのではないか」。「発見された日報の中に『戦闘』という記載があるが、それはまさに南スーダンにおいて『国際的な武力紛争』がおこなわれている証左であり、したがって、現状はPKO5原則から逸脱しているのではないか」といったやりとりです。

この論戦に至る過程には確かにいくつかの反省点、改善点があります。まず、政策判断の材料となる日報はしかるべき期間、保管してしかるべきであったこと。さらには、当該日報が情報公開請求の対象になっていた以上、発見後はただちに防衛相に報告されてしかるべきであったこと。また、「戦闘」や「武力衝突」という用語の違いが法制上、極めて重要な意味を持つ以上、現地の日報作成者に正確な用語の用い方を教育しておいてしかるべきだったこと、などです。

言うまでもなく、政府は南スーダンでの事案を「国、または国に準じる組織による武力紛争」ではなく、「武装集団の間におこった武器を用いた衝突」と判断しているからこそ、派遣を継続しているわけです。野党はどうしても防衛相に「戦闘行為があった」と言わせたいのだろうと思いますが、防衛相の立場としてはあくまでも言葉を正確に用いなければならず、「戦闘」という言葉を軽々に使うわけにはいきません。このやりとりをもってして「防衛相もまた不適格である」との指摘はまったく当たらないものと思っています。

いずれにしても、予算委員会の審議はこれからこそが本番です。週明けは日米首脳会談から帰国した総理に対する質疑が多くなされることになるでしょう。「攻撃のための攻撃」「批判のための批判」ではなく、真摯で建設的な実りある審議となることを願い、気を引き締めて後半戦に臨んでまいりたいと思っています。