岩屋たけしのメッセージ

平成29年03月22日
「テロ等準備罪法案について」

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懸案であった「テロ等準備罪法案」が閣議決定され、今国会での成立を期すこととなりました。

この法案のベースはこれまで三回、国会で廃案になってきた「共謀罪」ですが、今回はその反省も含めて内容を一新し、対象を「犯罪組織」に限定することとするほか、対象となる重大犯罪の数を当初の676から277に絞り込むことによって、「一般市民の権利が侵害されるのではないか」という懸念を払しょくできるようにしています。

この法律の目的はまさに「テロ」等の国際犯罪を未然に防ぎとめるということにあります。現在、世界の187か国が「国際組織犯罪防止条約」に加盟していますが、我が国は条約に適合する国内法が整備できていないがために、いまだに批准できていない残り11ヵ国の中のひとつとなっているのです。

2019年にはラグビーワールドカップ、2020年にはオリンピック・パラリンピックを迎える我が国がテロ等の国際組織犯罪を防ぐための国内法を整備すべきことは当然であり、むしろ遅きに失していると言っても過言ではありません。
確かに、この法案の原型であった「共謀罪」は対象の範囲も対象犯罪の範囲もあまりに広過ぎて、そのことが国民の不安を募らせてしまった点があったことは事実だと思います。したがって、今回は対象となる団体と犯罪を大幅に絞り込み、「テロ等準備罪法案」とすることで再提出をすることにしたわけです。

この法案では、組織的犯罪集団(重大犯罪を実行することを目的に結成された組織)が、実際に重大犯罪を計画し、なおかつ具体的な準備行為をおこなった段階で処罰できるようにしています。「準備行為」の段階で処罰できるようにしたのは、テロなどの犯罪行為は実行されてしまったあとでは取り返しがつかないからです。

もちろん、だからこそ、「行き過ぎた捜査がおこなわれるのではないか」「冤罪が生じやすいのではないか」といった懸念がどうしてもつきまといがちです。今回の国会審議ではそれらの点も含めて、しっかりと国民に説明し、そのご心配を取り除いていかなければなりません。

対象となる重大犯罪とは、死刑や懲役・禁固4年以上の犯罪のうち、組織的な殺人やハイジャック、人身売買、組織的な詐欺など、組織犯罪集団の関与が現実的に想定される犯罪を指します。これらの犯罪を組織犯罪集団に属する二人以上が計画し、少なくとも一人が準備行為を行えば、計画した者全員を罪に問うことができるようにしています。

この法案がテロをはじめとする重大犯罪の抑止と防止に効果を発揮することを願いつつ、心引き締めて今後の国会審議に臨んでまいりたいと思っているところです。