岩屋たけしのメッセージ

平成29年11月06日
「解散総選挙を振り返って」

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選挙が終わって約二週間が経過しようとしています。毎回のことながら、選挙直後は様々な挨拶回りやそれまでに溜まっていた事務処理(まだ終わっておりませんが)などに追われ、なかなか落ち着いて選挙戦を振り返る余裕がないものです。

ですが、国会も始まったことでもあり、週明けからはいよいよ通常モードに戻らななければならないという所に差し掛かってきておりますので、今後の国会活動にいおける心構えを作っておくがためにも、ここらで今回の選挙戦を自分なりに総括しておきたいと思います。

なにしろ、突然の解散でした。仲間内では「解散はもう年を越すだろう。来年はその時期を定めるのがなかなか難しいだろうけどね。。」という話をしていた矢先だったので、正直、面食らったことは事実です。

自民党が大勝し、与党で三分の二を超えたという選挙結果だけから見れば、まさに絶妙のタイミングだったと言うこともできるのでしょう。そのことに思い至らなかった自らの不明を恥じる以外にありませんが、いまなお、「この解散に大義はあったのか?」という国民の疑問に完全に答え得てはいないと感じています。

たしかに、「緊迫する北朝鮮情勢」という大義がないではなかった。「来年以降はいよいよこの問題が正念場を迎える。そのような時期に解散総選挙をやるわけにはいかない。この段階でやっておくしかない」。そういう説明です。しかし、「そこまで緊迫しているなら、なおさらのこと選挙などやっている場合ではないのではないか」という反論を完全に論破するほどの説得力を持ち得たわけではない。

「大義」とは言えぬにしても、もうひとつの理由が「今なら勝てる」という政局上の理由です。昔から、「解散時期については嘘をついてもかまわない」などと言われてきた。「与党が勝ちやすいときに選挙を打つのは当たり前」「野党はいつも『解散しろ!』と言ってきたのだから、文句を言う資格などない」との論もあるにはありますが、事は憲法上に認められた総理の解散権行使の適否の問題であり、民主主義の根幹に関わる重要問題です。それだけで片付けていい問題だとも到底思えない。

「与党が勝ちやすいときに選挙を打つのは当然」というのは、内々で密かに語られることはあり得る話かもしれないが、白昼堂々と強弁していい話ではない。憲法がそこまでのことを許容しているとは思えない。やはり、そこには「解散して国会議員の任期を中断してでも、国民の信を問うべき切羽詰まった事情がある」という確かな理由がなければならぬのでしょう。

イギリスでは、「総理の解散権があまりにも与党の都合のみで乱用されている」という指摘が相次ぎ、今から7~8年前に「議会任期固定法」という法律を作って、事実上、総理の解散権を制限することになった(解散が許されるのは、内閣不信任が可決された時と、全議員の三分の二が容認した時に限られる)。この段階でこういった方法の是非を軽々に判断するわけにはいかないが、この例などを参考にして研究をしていくべきではないかと思う次第です。

前回の選挙は「消費税増税を先送りする」と言って戦いました。この時も正直、説明には苦労しました。「増税を断行するから国民に信を問いたい」と言うならまだしも、「先送りを選挙で認めてくれ」と言って戦うのには、ある種のうしろめたさがないではなかった。増税を喜ぶ人などいないのだからして、先送りに反対する人などいない。「先送りは結構だから、わざわざ選挙などしなくていいよ」という声に対しては、「実は総理は『増税断行派』に取り囲まれていて、先送りの決断をするには国民の後押しだ必要なのです」という説明をしたのでしたが、それは確かに事実ではあったにしても、どうしても自分の中で消化しきれな
いものが残りました。

今回は「二年後の消費税増税は予定通りおこなうが、その時の増収分は老人福祉のみならず、若い人たちの子育て支援にも使う」と言って戦うことになりました。「なりました」という言い方をしているのは、その方針についての党内議論が十分ではなかったからです。解散後は議員(立候補予定者)はいっせいに地元へ向かってしまって永田町はもぬけの殻状態となり、僅かに東京に残った党幹部たちが短期間のうちに公約を作ることになるからです。大きな方向性については異論はないものの、党内民主主義的な観点から言えば、ここにもいささか納得し難い点が残っています。

いずれにしても、突然に解散を突き付けられた野党はまさしく七転八倒することになりました。一か月前に野党第一党の代表に選ばれたばかりの前原氏は窮余の策として民進党をまるごと「希望」へ合流させるという決断をした。ところが、小池氏の「排除発言」を契機に民進党はついに空中分解を余儀なくされ、目下のところ、「参議院民進党」「希望の党」「立憲民主党」「無所属」の四つのグループに分かれるという事態となった。今回の選挙戦は多くの選挙区でそれら野党各党が競合することとなり、政権に対する批判票が分散して、その分、地力に勝る自民党が結果として大勝することとなりました。

一方で、比例票では野党の合計票のほうが与党票を上回っている。それだけ、底流では根強い政権批判があったということでしょう。実際に野党連合軍との一騎打ちの選挙戦を戦ってみて自分もそのことを肌身で感じることとなりました。得票差がそれほど大きく開かなかったのは私自身の力不足だとしても、この選挙戦を通じて体感した国民の厳しい声をしっかりと胸に刻んで、今後の国会活動に当たっていかなければならないと考えているところです。

野党の再編はまだまだ続いていくでしょう。今回の経験は必ず次に活かされてくるに違いない。次なる統一地方選、国政選挙はいよいよ厳しい戦いになってくるでしょう。その時に真に国民に信頼されうる政権、政党、政治家であるかどうかが今度こそ問われてくる。謙虚に、丁寧に、確かな政策を作り上げ、着実に実行し、成果を挙げていく。それ以外に方法はない。自分に与えられた役割と使命を全力で果たしていきたいと決意しているところです。