岩屋たけしのメッセージ

平成29年04月20日
「衆院選区割確定審議会の答申が出されました」

昨日、衆議院区割り確定審議会の答申が確定し、安倍総理に報告されました。答申によれば、区割りの見直しは過去最大の19都道府県の97選挙区に及ぶことになります。全国の小選挙区の約三分の一において境界線が変更されることになるわけです。

このような作業をおこなうのは、言うまでもなく「一票の格差」を是正するためです。最高裁は数次にわたって「現行の選挙制度は『一票の平等』の観点から『違憲状態にある』」との判決を示してきているからです。

この司法からの指摘を受け、立法府は昨年の5月に衆議院選挙制度改革関連法を成立させ、次回の衆議院選挙で「0増10減」の定数削減をおこなうとともに、「一票の格差」を2倍以内に是正するための措置を取ることとしたのでした。

この立法は「議員立法」としておこないましたので、その時は私も党の選挙制度調査会長代行という立場から、法案提出者の一人となり、答弁にも立たせていただいたところです。

したがって、その法律に基づいておこなわれた今回の区割り改定の作業に異を唱えるものでは決してありませんが、しかし、たとえそうではあっても、実際に出されてきた改定案を見てみると、ある程度想像はしていたものの、やはりその中身には愕然とせざるを得ないものがあります。

典型的なのは、東京です。東京ではこれまでも5つの自治体が衆議院選挙区において分割されていましたが、今回はそれが17にまで増えることになります。極端に言えば、「同じ区に住んでいながら、道路一本隔てると衆議院選挙区が異なる」という事態が、都内のあちらこちらに出現するということです。

単に立候補者が困る、という話ではありません。有権者にとっても慣れ親しんできた政治家を直接に応援できなくなるという事態が生じることになります。政治家の側にとっても、私も過去に経験がありますが、長らくご支援をいただいてきた家族同然の支援者の方々と離れ離れになることは、身を切るほどに辛いことでもあります。

自治体にとっても様々な困難が生じることになるでしょう。選挙事務は当然のことながら自治体単位でおこなわれていますから、分割後の事務分担をどうすればよいかという問題が生じるだけでなく、区長、区議会議員、都議会議員の選挙区と衆議院議員の選挙区が整合しないことになりますので、国との連携を要する自治体としての「意思決定」の上でも、様々な問題に直面することになるだろうと思います。

もちろん、「一票の平等」は司法からの極めて重要な要請ではあります。しかし、その要請に単に杓子定規に応えていくということを続けていけば、今後も多くの自治体が国政選挙区上、切り刻まれていくことになるばかりでなく、都市部にますます議員が集中し、地方からはどんどんと議員が減らされていくことになります。昨年の参議院選挙で初めて実施された「合区」はその最たるものだと言っていいでしょう。

しかし、それが果たして本当に有権者、国民の望んでいることなのか、、そのことが我が国の民主主義の基盤を堅固なものにしていくことにつながっていくのかどうか、、、どこかで立ち止まって考えていかざるを得ないという思いをますます強くしています。

来週には衆議院の「倫理選挙特別委員会」で区割り画定審議会からの説明を受ける予定であり、正式に法案が国会に提出されれば、当然のことながら今国会で成立を期していかねばなりません。私は目下、その委員会で与党筆頭理事の職責を担っており、その意味では責任を持って粛々とこの区割り法案を処理していく所存ですが、一方で、これを機に「一票の平等」の要請から生じるこれらの問題を、国民の皆さんにもぜひご一緒に考えていただきたいと願っているところです。