岩屋たけしのメッセージ

平成30年02月01日
「憲法改正考」

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自民党の憲法改正推進本部では、改正案作成のための議論が精力的に続けられています。私も副本部長の一人としてその議論に参画しながら、思案を重ねている毎日です。

自民党は野党時代に精力的に議論を重ね、その成果を「平成24年草案」という形にとりまとめました。それはそれで、当時の党所属議員の真摯な議論の産物であり、その段階での叡智の結集であったと思います。

が、振り返ってみますと、その時期は野党に転落したばかりの時期であり、結党以来の党是である「憲法改正」をテーマに党のアイデンティティーを再確立しようと努めていた時期でもありました。それだけに、憲法改正のための現実的な案を作るというよりも、むしろ保守政党としてのスタンスを明確に示すことのほうに力点が置かれていた案であったように思います。

しかし、これから作っていく案は、憲法改正へ向けて「リアリティー」を有した案でなければなりません。言うまでもないことですが、衆参両院で三分の二以上の賛同を得たのちに、国民投票で過半数の支持を得られる案でなければ、改正は成就しないからです。

目下、政権与党と憲法改正に前向きな政党の議員を合わせますと、衆参両院でそれぞれ三分の二を超えるとされていますが、いよいよ各党間の議論が始まるとなれば、与党内ですら、意見の調整に苦労することになると予想されます。国会内で幅広い合意を形成し、なおかつ大多数の国民の賛同を得るというハードルは相当に「高い」ものと覚悟しておかなければなりません。

私は大多数の国民の皆さんは現憲法を肯定的にとらえておられると思います。したがって、どのような改正案であろうとも、現憲法の根幹である「民主主義」「基本的人権の尊重」「平和主義」をいささかなりとも揺るがす恐れのあるような提案が受け入れられるはずはないのであって、それらを「補強」し、「発展」させる提案であってこそ広範な支持をが得られると考えています。

そういう考え方に立ちますと、改正案はおのずと「加憲」的なものになっていくでしょう。ここでは具体的な項目には触れませんが、それはたとえば、「憲法には明示されてなくとも、国民が既に了解し肯定している現状を確認的に明示する」もの、あるいは、「現憲法の基本理念を実現するに際して現状において足らざる点を補う」ものなどに限定されてくるものと思います。

そのように申し上げますと、「『加憲』的なものにとどまるに過ぎない憲法改正をわざわざおこなう意味があるのか」といったご意見も出てくるでしょう。が、私は大いに意味があると考えます。現憲法の制定過程を巡っていまなお様々な意見がある中にあって、国民自らの手によって「補強され発展した形の『現憲法』」を選び直すというプロセスを経ることは、憲法体制の安定性をより高め、我が国の民主主義をより一層成熟させることにつながっていくと考えるからです。

そのような考え方のもとに今後とも真摯に、かつ、丁寧にこの議論を続けてまいりたいと思います。