「安倍晋三元総理を偲ぶ」
今日は日帰りで安倍晋三元総理の一周忌法要にお参りしてまいりました。
早いものであの事件から一年。あまりに突然であまりに理不尽な出来事であっただけに、これをどのように受け止め、どのように心を整理をすべきか、いまだに考えあぐねているというのが、正直な心境です。
安倍元総理は天性のスター性を備えた政治家、ある意味で総理になるべくしてなられた、そのことが宿命として授けられていた、、そういう政治家であられたと思います。
それだけに、史上最長に及んだ総理としての役目を終えられたあと、安倍元総理がこれからどのように過ごしていかれるのかということに注目しておりました。
私は「世界の顔」のお一人としてのご活躍に期待していました。安倍元総理ほど数多くの外交シーンのプレイヤーを務めた政治家は他になく、そのご経験は我が国の大きな外交資産になっていただけると思っていたからです。
しかし、その希望も期待も一年前のあの事件で虚しく潰えてしまいました。今はただただ心よりご冥福を祈るばかりです。
以前にも申し上げましたが、安倍政権の最大の功績は、日本の安全保障体制を戦後初めて体系的に再構築したことにあると思います。
国家安全保障会議を立ち上げ、初めて「安保戦略」を作り、防衛計画を改定し、安全保障機密保護のための法制を作り、それらの取り組みを「平和安全法」に結実させました。
その過程をある時は党の安全保障調査会長として、またある時は防衛大臣としてご一緒させていただいたことは私にとって誠に光栄なことでありました。
我が国を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増している今、安倍元総理が作られた土台の上に、どのような戦略をもって世界と我が国の平和を守り抜いていくのかが問われています。
内政の失敗はある意味で修正可能ですが、外交や国防の失敗は国を滅ぼしかねないリスクを孕んでいるだけに、ここはまさしく正念場の時を迎えていると感じています。
この機に当たり、決して国の進路を誤ることがなきように、自らの信ずる方策を揺るぎない信念をもって主張し、かつ実行せんと微力を尽くしていくことが、今は亡き安倍総理のご功績に報いる道だと思い定めているところです。
ここにあらためて安倍元総理のご生前の多大なご功績に深甚なる敬意を表し、その御霊の安らかならんことを心よりお祈り申し上げる次第です。