「畑英次郎先生を偲ぶ」
元通商産業大臣、元農林水産大臣の畑英次郎先生がお亡くなりになりました。享年94歳。家族葬とのことでしたが、先刻、日田市の斎場にお別れに伺わせていただいたところです。
先生は日田市長を三期つとめられたあと、旧大分一区から衆議院議員に当選され、連続7回。長きに亘って郷土大分県のため、また国政進展のために多大なご尽力をなされました。そのご功績に深甚なる敬意を表し、心より哀悼の意を表したいと思います。
私も公私にわたり、親しくご指導をいただきました。選挙制度が変わり、大分県が当初、四つの小選挙区に分かれた際、私の出身地である別府市と畑先生のご出身地である日田市が同じ選挙区に閉じ込められることとなりました。
私は当時、浪人中ではありましたが、その時の政治的立場から、畑先生との同士討ちは避けるべきと考え、別府市を離れて家族ともども中津市に移住し、次なる選挙を戦ったのでした。そして、二度目の落選。。
その後、私が別府市に戻って選挙を戦う決意をした時、今度は畑先生が勇退をお決めになり、間接的に私の背中を押してくださいました。その結果、私は七年間の浪人生活に終止符を打ち、国政に復帰することができたのでありました。
畑先生は温厚にして、かつ、常に凛とした姿勢の強靭な政治家であられました。雄弁家でもあり、その裂帛の気合いのこもった演説は多くの聴衆を魅了して止みませんでした。今でも、その独特の言い回しが強く耳に残っています。
ご勇退後は、ご本人の強いご意志で極力、公の場は避けておられたと聞いています。私も長らくご無沙汰をしておりましたが、最後に御尊顔を拝することができ、少しく安堵しているところです。
畑英次郎先生、長い間、本当にお疲れ様でした。そして、誠にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。
合掌
