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「日韓関係の改善に期待する」

2022.03.10

 昨晩、韓国大統領選挙が終了し、最大野党のユン・ソギョル候補が僅差で初の当選を果たされました。ユン氏のご当選をお祝い申し上げ、惜しくも敗れたイ・ジョミョン候補のご健闘に敬意を表したいと思います。

 

 近年、様々な懸案を通じて日韓関係は非常に冷え込んだ状態にあります。むろん、それは現行のムン・ジェイン政権の頑なな対日姿勢に因るところが大きいのですが、現下の北東アジアの環境を考えれば、日韓関係の改善が必要であることは論を待ちません。

 

 とりわけ、安全保障に関して言えば、日韓、そして日米韓の連携は極めて重要です。ともに米国の同盟国であり、ともに米軍を駐留させている日韓両国の十分な連携がなければ、朝鮮半島有事はもとより、この地域での緊急事態に適切に対応することはできないからです。

 

 幸い、当選されたユン氏は、日韓関係の改善に前向きであると伝えられており、首脳同士が交互に訪問し合う「シャトル外交」にも積極的だと報じられています。我が方もその姿勢に積極的に応じ、まずは首脳レベルでの信頼関係を築いていくことが必要だと思います。

 

 言うまでもなく、日韓の間には、いわゆる「慰安婦問題」「徴用工問題」など、歴史認識にまつわる諸懸案が横たわっています。日本政府としてはこれまで誠実に対応を行なってきているところですが、必ずしも理解を得られず、せっかく成された合意が後になって覆されるということが続いてきました。

 

 政府間の正式な合意が履行されないという、この間の韓国政府の対応については誠に遺憾に思うものの、だからと言って日韓関係が冷え込んだままでいいというわけではありません。さらに粘り強く対話を積み重ねることで解決の糸口を探っていくことが必要だと思います。

 

 歴史認識というものは、「どちらの側から見るか」によって違ってくることはむしろ当然です。しかし、そこに拘泥するばかりであっては前進はありません。ここは大局的な観点から日韓関係を改善させ、前進させることがことが必要だと思います。

 

 目下、ロシアによるウクライナへの侵略によって国際秩序全体が脅かされている時であるだけに、基本的な価値観を共有する民主主義諸国がしっかり連携することが必要です。その意味でも北東アジアにおける日韓の連携は極めて重要であると考えます。

 

 日韓関係改善へ向けた両国政府の今後の取り組みに期待するとともに、その努力をしっかり支えていきたいと思っています。

 

 

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