「補正予算案衆院通過に際して」
本日、衆議院本会議において、総額13兆円余の経済対策が盛り込まれた令和5年度補正予算案が可決され、参議院に送付されました。
今回の補正予算は、物価高騰対策、賃上げ支援、成長力強化、人口減少対策、災害復旧、防衛力強化などの対策を中心に編成されており、まずは一日も早い成立と執行を目指してまいりたいと思います。
その上で、今回の衆議院予算委員会では、野党側からも様々、重要な指摘がありました。政府与党としてはそれらの指摘を謙虚に受け止め、今後の政権運営に活かしていかなければならないと思います。
この間、政権が打ち出した「減税」に対しては国民からの評価が甚だ芳しくなく、予算委員会ではその点も踏まえての野党からの厳しい指摘が相次ぎました。
「厳しい財政状況の中で果たして『還元』する余裕があるのか」「物価対策としては即効性に欠けるのではないか」「防衛費や子育て支援費で負担増が予定されている中での減税は目先の人気取りなのではないか」。。
野党側からは繰り返しそのような指摘がなされましたが、たしかに、少なからぬ国民が同様の疑念を抱いているからこそ、政権の支持率も低迷してしまっているのだと思います。
もちろん、岸田総理は「デフレからの完全脱却のチャンスだからこそ、給付金と定額減税を組み合わせることによって、経済の好循環を作り出したい」との説明を繰り返し行なっていますし、私もそういう成果が生み出されることに期待しています。
しかし、それ以上に国民が岸田政権に求めていることは、さらに骨太の国の将来ビジョンを明確に示し、そこへ向かっての国民の理解と協力を愚直に求めていくことではないかと思います。
国民は「減税」と聞けばいつでも歓迎するわけではなく、「負担増」であれば何でも反対するわけではない。誰とて日々の暮らしが一番大事ではあるけれども、日本の未来像についても日々、お考えいただいていると思います。
国際秩序が揺らぎ、安保環境は厳しさを増し、経済は停滞し、財政は逼迫。その中で人口が減り続け、少子化に歯止めがかからない。。ここを乗り越えて未来を切り拓いていくためには、耳に心地のいい話ばかりをしているわけにはいかない。
愚直さ、正直さ、真剣さ、、それこそが今求められていることではないか。一人、岸田総理だけの問題ではなく、我々、国会議員全員の課題であると痛感しつつ、予算審議を終えたところです。