「安倍元総理の死を悼む」
奈良県を遊説中に凶弾に倒れた安倍元総理が亡くなられました。いまだに信じられない思いです。こんなことが我が国で起こってよいものか。。強い憤りと深い悲しみで胸が塞がれる思いです。
言論の自由はいかなる時にも守られなければなりません。いかに自身の意見と違う意見であっても、人がその意見を自由に表明する権利は命に代えても守らなければならない。それが民主主義の真髄です。
事の真相はこの段階では明らかではないものの、たとえどのような理由や背景があるにせよ、暴力によって言論を封じる企ては断じて許されてはなりません。最も強い言葉で批難したいと思います。
安倍元総理のご功績はまさしく枚挙にいとまがありませんが、中でも最も大きなご功績は我が国の安全保障体制を短期間のうちに強固なものに再構築されたことにあると私は思います。
国家安全保障会議の設置と国家安全保障戦略の策定、防衛計画の大綱ならびに中期防衛力整備計画、さらには武器輸出三原則の見直し、特定秘密保護法や平和安全法の制定、自由で開かれたインド太平洋構想の主導、、それらを強いリーダーシップのもとに矢継ぎ早に実現されました。
卓越した指導力だったと思います。そして、それらの困難な作業を、一時期は党の安全保障調査会長として、また一時期は防衛大臣としてご一緒させていただいたことは、私にとって政治家としてこれ以上ないほどに光栄なことでありました。
明るく気さくなお人柄でした。総理大臣のお立場にありながら、重々しく振る舞うということは一切されず、閣僚が緊張している時には自ら率先してジョークを放って皆の緊張を解きほぐしてくれるような方でした。
今回の参議院選では古庄はるとも候補の応援に二回にわたって大分入りしてくださいました。6年前は安倍総理のもとでの選挙でしたが、その時は古庄候補の地元の杵築市に来援いただき、大いに勢いをつけてくださいました。今でもその時の光景を鮮明に覚えています。
この度の事態を受け、自民党大分県連で候補も交えて緊急の会議を開き、最終日の運動をどのようにすべきかを議論いたしました。運動を続けるべきか停止すべきか、、様々な意見が出ましたが、最終的に「暴力に屈することなく最後まで戦い抜くことが安倍元総理のご遺志に報いる道だ」ということに衆議一決いたしました。
したがって、宣車による連呼は行わず、集会も動員も行わず、地区地区の街頭に於いて安倍元総理への追悼の意を表するとともに、最後まで選挙戦を戦い抜く決意だけを申し述べるにとどめることといたします。何卒、皆様のご理解をお願いしたいと存じます。
ここにあらためて安倍元総理の御生前の偉大なご功績に深甚なる敬意を表するとともに、衷心よりそのご逝去を悼み、心より哀悼の意を表したいと存じます。