「令和6年度予算案衆院通過」
先刻の衆議院本会議で、令和6年度予算案、総額約113兆円が可決され、参議院に送付されました。
昨晩は夜11時30近くまで審議が続き、そのまま徹夜国会になるものと覚悟しましたが、与野党の話し合いで本日に持ち越され、ようやくにして可決されたところです。
予算に関しては憲法の規定により、これから一月以内に参議院が結論を出さない場合は衆議院の議決が優先されることになりすので、これで年度内の成立が確実となりました。
来年度予算には能登半島地域復興のための予算が含まれていることもあり、新年度からの執行が確実になったことに安堵しているところです。
審議は難航を極めました。予算委員会のかなりの時間が折からの「派閥パーティー事案」を巡る問題で占められ、また、政治倫理審査会の開催を巡るやり取りが紛糾したことで、31年ぶりに土曜日に審議をしなければならない展開となりました。
与党は与党で「年度内成立を確実にしたい」、野党は野党で「疑惑の解明が十分でない」という、互いに譲れない思いがありましたので、その意味では、やむを得ない展開だったと思います。
しかしながら、国会に30年近く在籍させていただいている私には、正直、「国会が劣化した」と感じざるを得ない場面がいくつもあり、残念な思いがしたと同時に、あらためて国会改革の必要性を強く感じた次第でした。
岸田総理は随所で、審議を前に進めるための重い決断をされましたし、厳しい質問にも辛抱強く答弁を重ねて、よく乗り切っていただいたと思います。
一方で、子育て支援費に関しての「国民負担は増えない」という答弁に関しては、数多くの疑問が呈されました。
私も本件に関する総理はじめ関係大臣の答弁には、正直なところ、いまひとつ得心できないものがありました。
「全世代型社会保障」と銘打つのであれば、むしろ「一定の負担をお願いしたい」と率直に説明したほうが、より国民の理解が得られるのではないかと感じているところです。
予算案は、これから参議院にて審議されますが、より充実した議論が展開されることに期待したいと思います。