「自民党選挙制度調査会・総務部会合同会議」
今日の会合では6月16日に区割り案が答申された10増10減の定数是正について政府の報告を求め、議論をいたしました。活発な意見開陳がなされましたが、今回の区割り案に対する不満の声が大勢を占めたというのが実情です。
私も過去に経験してきましたが、選挙区の区割りが変わるというのは、政治家にとっては身を切られるように辛いことです。それまで身内のようにお付き合いをしてきた支援者たちと別れなければならないということですからね。。その気持ちは痛いほどよくわかります。
しかし、「一票の重さが成し得る限り平等でなければならない」というのは、司法の要請、すなわち憲法の要請です。三権分立のもとで立法府はその要請に応えていかなければならない責務を負っている。
選挙制度も区割りも、その当事者たちが議論して決めること自体にそもそも無理があるのだと思います。もちろん最終的に決める(法案を議決する)のは立法府たる国会ですが、自分達自身が当事者(利害関係者)なのですからね。どんな理屈を立ててみたとて党利党略、個利個略だと見做されて仕方がないところがある。
したがって、正統性を持つ案を作るためには中立性を保った第三者の力を借りざるを得ず、基本的にそこでの結論を尊重するというのが、あるべき姿なのだと思います。その際、政治家は潔く「まな板の上の鯉」になるしかない。「10増10減」は粛々とやらざるを得ないと私は思います。
その上で将来の選挙制度がどうあるべきかという議論は大いにあって然るべきだと思います。しかし、選挙制度というのは民主主義の土俵ですからね。それを変更する際に許される唯一の大義名分は「主権者たる国民のため、日本国の民主主義の発展のため」という以外のものは本来、微塵もあってはならない。
したがって、選挙制度を本気で変えようとするならば、「自民党も自分たちもどうなってもよい。これで日本の民主主義が進化成熟すればそれでよい」という覚悟がなければならない。その覚悟がないままに取り掛かると、出口がない袋小路に入り込むことになっていくと思います。