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「リーダーの狂気」 

2022.10.01

ロシアのプーチン大統領が偽の住民投票を根拠に一方的に占領地域の独立承認を宣言しました。国連のグテレス事務総長や各国のリーダーが間髪入れずに反応したように、明白な国際法違反、国連憲章違反であって、断じて容認すべからざる暴挙です。 

 

プーチン氏のクレムリンでの会見の模様をテレビ中継で目にしましたが、おざなりのスタンディングオベーションはあったものの、占領地域の親ロ派代表団も含めて誰一人として本当の笑顔を見せている者はいなかった。強制された演出であったことは明らかです。 

 

思うに、窮余の策として打ち出された「動員令」はプーチン政権の終わりの始まりとなるでしょう。既に動員予定人数に相当する人々が徴兵を避けるために国外に逃亡しており、ロシアは徐々に国家の体をなさなくなりつつある。これまで抑え込まれてきた反戦機運、反政権機運が一気に高まることは必定です。 

 

たった一人のリーダーの誇大妄想と被害妄想がこのような惨事を産み出し、やがては国家を破滅へと導き、国民を塗炭の苦しみに合わせることになる。。権威主義国家においては「カントリーリスク」よりも、むしろリーダーの「パーソナリティーリスク」のほうがより深刻だという感がしてなりません。 

 

残念なことに世界には同体質の国家が他にも存在している。負の連鎖反応を防ぐためには、ここでプーチン氏の野望を打ち砕き、同種の試みが結果的には自身にも断末魔の苦しみと滅亡をもたらすということを明白に示す以外にはないと思います。 

 

間違ってもプーチン氏をして核兵器の使用に至らせないように、戦況をコントロールしながら占領地域をロシアから解放していかねばなりません。それがためには、国際社会が今後とも一致結束し、それぞれが成し得る最大限の協力をしていく必要があります。 

 

むろん、協力をする側にも一定の副作用が伴います。我が国はもとより、それぞれの国が国民生活への影響を最小限にとどめるための対策を講じていますが、この局面においてこれをゼロにするということは極めて困難だと言わざるを得ません。 

 

しかし、一人のリーダーの狂気によって世界秩序が転覆されるような事態は断じて防ぎ止めていかねばなりません。政府は今回の事態に対する我が国としての方針を明確に国民に示し、丁寧に説明を尽くして理解と協力を得る努力をしてもらいたいと思っています。 

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