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「人権外交」考。

2021.04.07

本日、議員会館で開催された「超党派で人権外交を考える会設立総会」に入会・参加いたしました。

 

目下、香港、ウィグル、ミャンマー、シリア、ロシア、、残念なことに世界の至るところで人権の侵害や民主主義の破壊行為が行われており、我が国としてもこれを看過するわけにはいかないと考えます。

 

したがって、政府もこれまであらゆる外交シーンを通じて懸念を伝え続けているわけですが、それでも効果がない場合に備えて、人権侵害を行っている当該国やその加害者に対して、必要な場合には制裁を課すことのできる立法を検討すべきではないかというのが、この議員連盟設立の主旨となります。

 

私は、日本外交は「人権外交」を常に振りかざすべきだという風には決して思っていません。しかし、人権侵害を是正するために、国際的な取り組みの一環として制裁を課すことがどうしても不可欠だと判断する場合には、我が国もそのような手段を有していることは必要ではないかと考えています。

 

人権侵害の当該国は常に「内政干渉だ」と言って外からの批判をはねつけようとします。しかし、こと人権に関しては、もはや「内政問題」ではなく、「国際問題」であると考えざるを得ません。実際に国際社会の連帯の力に依らずしては事態の改善は望めないからです。

 

むろん、制裁はむやみやたらに行っていいものではありません。まず何よりも、我が国政府が自力でその事実認定ができるほどの情報収集・分析能力を有していることが必要となります。また、仮に事実認定ができたとしても、制裁を課すことが事態の改善に最も効果的な方法であるのかどうかを、その都度、適切に判断していかなければなりません。

 

通常、こういった場合の制裁の内容としては、人権侵害の行為者(責任者)に対する入国・滞在拒否、その国内資産の凍結、関係企業との取引の禁止などになります。いずれの措置も国家権力の強力な行使となりますので、そのような外交手段を用いることについて国民の理解を得ておく必要もあります。

 

なぜならば、制裁を課せばほとんどの場合、報復を招くことになるからです。我が国の国民や企業に対して報復が及ぶことになるわけですから、そのリスク分析をおこない、リスク回避の方途も考えた上で、制裁を課すかどうかを慎重に判断することが必要となってきます。

 

以上のような諸要素を考え合わせた上で、立法するとするならばいかなる方式が最も望ましいのか。。これから超党派の議員連盟で議論すると同時に、自民党内においてもしっかりとした議論を行なう必要があると考えているところです。

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