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「性的少数者への理解増進を」

2021.05.27

先日、党本部で開催された「性的少数者理解増進法案(略称)」の議論は久方ぶりに4時間にも及ぶ大議論となりました。

 

私は賛成の立場から意見を述べました。野党が当初、提案されていた「差別禁止法案」ではなく、もともとの自民党の提案である「理解増進法案」を基本とすることで全党で合意ができていたからであり、この機に立法を行うべきだと考えたからです。

 

しかし、法案の文言に「差別は許されないとの認識の下に」という文言が入ったことで慎重派から少なからぬ反対意見が開陳され、議論は紛糾いたしました。自民党ならではの中身の濃い、闊達な議論であったと思います。

 

多様性を包摂しながらも、社会全体の安定性を保っていくためにはどうすることが最善か。それをとことん考え抜くことが保守政党のあるべき姿勢であるとするならば、その方途を巡って様々な意見があることは当然であり、大議論の末に了承されたことはむしろ良かったと考えています。

 

一般にLGBTQという風に称されている方々の性的指向や性自認はご本人には如何ともし難い「個性」なのだと思います。その「個性」を理解し、一人一人の尊厳が保たれる社会を目指すとともに、国民の分断や対立を回避し、社会全体の安定性や統合性を維持していく努力が求められていると思います。

 

私はかつて身近に悩みを抱えておられる方がいらしたことで初めてこの問題を強く認識し、当時、課題となっていた「性同一性障害」に関する立法に微力を致した経験がありました。今回もこの法案の成立に向けて微力ながら、力を尽くしたいと思っています。

 

「理解増進法案」はあくまでも基本法、理念法です。国に「理解増進」のための計画づくりを求め、自治体や事業者や教育現場に「理解増進」の努力と相談窓口を設けることを求め、この課題のさらなる調査研究を求める内容となっています。

 

この課題に向き合うための第一歩になる法案であり、何が差別になるかを具体的に定義したり、それを禁止して違反者に罰則を設けようとするようなものでは決してありません。

 

国会の残り会期はあと僅かですが、せっかく全党で合意できた法案ですから、なんとかこの国会で成立を見ることができるよう、引き続き努力してまいりたいと存じます。

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