「一律の行動自粛要請は不適切」
コロナの感染拡大に伴って知事会などから「帰省」や「県境をまたぐ移動」の自粛要請を国が行なうべきだとの意見が出されているようですが、私はそのような要請が適切であるとは思えません。
現在、高齢者の大半が二回の接種を終えた状況にあり、したがって高齢者の感染リスクは大きく低減しています。直近の東京での感染者の中で高齢者が占める割合は僅か3%ほどになりました。ワクチンの効果は着実に出ています。
今後、大切なのは世代ごとの接種率、それに伴う感染率、重症化率、致死率などを科学的に分析して、その傾向に応じた対策をきめ細かく講じることであって、一律に自粛要請をすることによって、本来、可能になっているはずの行動を制限することではないと考えます。
連日、単に感染者の数だけが発表されていますが、その詳しい内訳は不明です。ワクチン接種との相関関係がどうなっているのかも判然とせず、報道もいたずらに不安を煽っているように見受けられます。これではいったい何のために専門家がついているのかと、疑問に思わざるを得ません。
田舎で子や孫の帰省を心待ちにしている高齢者のほとんどは接種済みの方々が多いでしょう。幼い子を持つ都会地の若者は、帰省するに際しては、職域等で可能であれば接種を受ける。そうでなければ、事前にきちんと検査を受ける。そのような対応が必要であり、むしろそのことを強く要請すべきではないかと思います。
こういった対策をさらに有効にするためには、国内においてもワクチン証明書、あるいは検査証明書を活用することができるようにすべきだと考えます。それもデジタル化して、スマホ等で携帯できるようにすることが望ましい。
ワクチン接種率を勘案しながら、「行動できる人には行動してもらう」。そろそろ、そういうメリハリの効いた対策に切り替えていくべきではないかと考えます。
以上の考え方を関係諸大臣にお伝えしています。政府において適切な対応が行われることを期待したいと思います。