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「ワクチン・パスポート」考

2021.04.30

この間、政府に導入を強く要請してきた「ワクチン・パスポート(仮称)」の検討がいよいよ開始されることとなりました。感染の予防を行いつつ、社会活動を再開していくためには不可欠のツールだと考えており、早期の制度設計を求めていきたいと思います。

 

当初、政府の腰が重かったのは、「差別につながるのではないか」という懸念があったためだと思います。たしかに、さまざまな理由・事情でワクチンが接種できない方もいらっしゃるので、当然の心配だと思います。したがって、そういう方々が不利益を蒙らないようにする仕組みにすることが大切だと考えます。

 

したがって、「ワクチン・パスポート」というよりは、「健康パスポート」という体裁を取り、ワクチン接種記録はもとより、検査結果記録、場合によっては既往歴、アレルギーの有無、直近の体温歴、食事制限(ハラルなど)が搭載できるような多用途のものにすべきではないかと考えます。

 

むろん、「パスポート」と言っても紙ではなく、携帯に搭載できるアプリにして、いつでもどこでも提示、読み取りができるようにする。ワクチン非接種者にディスアドバンテージ(不利益)を与えるのではなく、接種者にアドバンテージを与える運用をするように事業者には徹底をはかる。そのような仕組みが望ましいと考えます。

 

目下、EU、米国、中国をはじめ、この種のパスポートが徐々に制度化され、様々な国に広まりつつあります。我が国での対応が遅れれば、海外において日本人全体に対する差別(区別)が生じかねず、そうなれば経済活動はもとより、観光、親善交流など様々な活動が制約される恐れがあります。

 

また、このような仕組みができれば、国内における旅行、飲食、イベント等の現場においても有効に活用できることとなり、移動や行動に対する制約を合理的、段階的に解除していけるのではないかと期待されます。

 

もちろん、その際にもガイドラインは必要で、あくまでも「差別につながらない」運用を行なうことが大切です。このガイドラインの策定も含めて政府において然るべき対応が行われるよう、今後の作業を注視し、支援してまいりたいと思っています。

 

来月には感染者の多い大都市において、防衛省・自衛隊による「大規模共通ワクチン接種所」が開設されることとなりました。防衛省・自衛隊の持つ機動力と展開力を存分に発揮し、国民の期待に応えてくれることを心から願っています。

 

残念ながら我慢を強いられるゴールデンウィークとなりましたが、ここが正念場です。これ以上、感染が拡大することのないよう、お互いに気をつけながら、なおかつ、様々な工夫によって英気を養い、ここを乗り切ってまいりましょう。どうぞお元気で良き連休をお過ごしください。

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