訪中報告・新聞掲載記事(大分合同新聞2026/10/3)

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岩屋毅前外相は2日、中国政府要人と相次いで面会した訪中を振り返り、冷え込んだ日中関係の修復に「一歩前進した」と手応えを語った。台湾有事を巡る高市早苗首相の発言には「全体的に厳しい対応だった」と印象を述べ、関係改善に向けて、個人的支援する考えを示した。中国側が日本批判に使う「新型軍国主義」の表現は控えるよう求めたと明かした。別府市内の事務所で報道陣の取材に応じた。
岩屋氏は「日本国際貿易促進協会」の訪問団長として、日本企業の役員ら約50人を引き連れて9月27~29日、北京を訪れた。王毅外相、何立峰副首相との面会を振り返り、冷え込む日中関係の修復に「一歩前進した」と手応えを語った。
台湾有事を巡る高市首相の発言には「全体的に厳しい対応だった」と印象を述べ、関係改善に向けて個人的支援する考えを示した。中国側が日本批判に使う「新型軍国主義」の表現は控えるよう求めたと明かした。
レアアース(希土類)の輸出緩和や、日本企業の萎縮を招く反スパイ法の適用基準の明確化を要求。両国間の交流は地方都市でも途絶え気味といい、地方政府間の交流の円滑化を促したとのこと。
高市首相の国会答弁について「是非を論じるつもりはない」とした上で、日本政府の立場を説明したが、十分に理解されていない。今なお厳しい指摘があったと話した。
王外相からは「日中関係は改善する必要がある」との発言があり、「改善のための対話の窓口をしっかり開けてほしい」と要請した。
「新型軍国主義」批判の抑制要請
「戦後80年の平和国家の歩みを否定されたと受け止められ、日中関係を重視する人まで遠ざけてしまう恐れがある」と説明した。
高市首相の発言以降、習近平指導部が日本の国会議員と会談するのは初めて。岩屋氏は「あくまで民間交流として訪中した」とした上で「外務省とはさまざまに連絡を取っていた」。
相との対談には杉杉経済駐中国大使も同席し、本音でしっかり報告されているはず。王外相との内容も伝えたと思うが、台湾に対する中国側の立場を「理解し、尊重する」と記した日中共同声明(1972年)など4文書の原点に基づき、日本政府には不信解消の努力をしてもらいたいとも重ねた。
今回の訪中に対し日本国内で批判もある。岩屋氏は「中国には約3万社の日本企業、10万人の日本人がいる。政治が厳しい時こそ経済や民間がつながりを維持すべきだ。誰も会わないで事態が改善するのか」とし、対話を閉ざさず一歩ずつ進む必要があると訴えた。